雨水排水計画

下記のように、基本方針を決定し、管径、勾配などを算出します。

(1)基本方針

計画地の表面排水を集水桝、U型側溝にて集水し、グランド排水は、暗渠管にて排水します。
設計断面は、降雨量、集水面積、排水勾配などから決定します。
暗渠排水の埋設間隔は、15m前後を標準とし、排水効果に差が生じないよう、 等間隔に布設します。
流末は、計画地のレベルの低い位置が望ましい。

(2)計画雨水量

計画雨水量の算定は合理式より算定します。

  Q=1/360×C×I×A

ここで Q:計画雨水量(m3/sec)
C:流出係数
Ⅰ:降雨強度(mm/hr)
       A:排水面積(ha)

(3)流出係数

流出係数は集水区域毎に算出する。集水区域別流出係数は、集水区域内の土地利用計画により異なり、
その値は下記により算出する。

地表面の工種別基礎流出係数(道路土工排水工指針より)
地表面の種類 
流出係数
路面 
舗装
0.70~0.95
砂利道
0.30~0.70
 路肩・法面など
細粒度
0.40~0.65
粗粒度
0.10~0.30
硬岩
0.70~0.85
軟岩
0.50~0.75
 砂質土の芝生
勾配0~2%
0.05~0.10
勾配2~7%
0.10~0.15
勾配7%以上
0.15~0.20
 粘性土の芝生
勾配0~2%
0.13~0.17
勾配2~7%
0.18~0.22
勾配7%以上
0.25~0.35
屋根
0.75~0.95
間地
0.20~0.40
芝・樹木の多い公園
0.10~0.25
勾配の緩い山地
0.20~0.40
勾配の急な山地
0.40~0.60
田・水面
0.70~0.80
0.10~0.30

(4)降雨強度公式

確率降雨強度公式には、幾つかの型式がありますが、下水道計画においては型式が単純で
取扱いが簡単なタルボット型降雨強度公式が一般に使用させます。

タルボット型降雨強度公式

 I=a/(t+b)

ここで、I:降雨強度(㎜/hr)
t:降雨継続時間(分)
a、b:地域、確率年によって異なる係数

降雨継続時間(t)は、排水区最上流部に降った雨が、計算地点に達するまでの時間(流達時間)と等しい。
a及びbの係数は、過年次の降雨資料を統計解析し、確率降雨量(下水道のような短時間降雨水の場合、
60分間と10分間)を求めた後に決定します。また、確率年は、一般に5~10年が用いられます。

(例)7年確率降雨強度公式

I=4,500/(t+35) (60分降雨強度 47.4㎜/hr)

(5)流入時間と流下時間

流入時間とは、雨水が排水区域の最遠点から管渠に流入するまでの時間をいい、流入時間は、
最小単位排水区の斜面距離、勾配、祖度係数によって変化するもので一般に5~10分とされ、平均値7分を採用することが多い。
流下時間とは管渠に流入した雨水が、ある地点まで管渠内を流れるのに要する時間をいう。

 t=t1+t2

ここで、t:流達時間
t1:流入時間(7分)
t2:流下時間(L/60)

(6)雨水排水施設の流下能力

マニング式
Q=A・V
V=1/n・R2/3・I2/3
ここに
Q:流量(m3/秒)
A:流水断面積(m3
V:流速(m/秒)
n:粗度係数
R:径深(m)(=A/P)
P:流水の潤辺長(m)
I :勾配(分数、又は小数)

(7)雨水管の設置基準(但し、設計場所の市町村・県の基準を確認してください。)

 項目  基準
 管渠の形状  円形管、開渠、台形渠、ボックスカルバート
 粗度係数  VU管:n=0.010、HP管:n=0.013
 最小管径

 円形管・・・200㎜
その他(内法)・・・500㎜

 流速及び勾配  流速は下流にいくに従い漸増させ、勾配は下流にいくに従い次第にゆるくなるようにする。
また、流速は最小0.8m/sec、最大3.0m/sec(理想は1.0~1.8m/sec)とする。
 管渠の余裕  円形管・・・見込まない(能力は満流で計算)
ボックスカルバート・・・見込まない(能力は9割水深で計算)
 管渠の接合方法  原則として管頂接合とする。
 人孔内落差  2㎝
 管渠の最小土被り  支線・・・0.3m以上、幹線・・・1.0m以上

(8)暗渠排水量の計算

暗渠排水量の計算は次の合理式によって行う。

  q=(R・f)/(D・8.64)
   ここに
q:単位面積当たりの暗渠排水量 ㍑/sec・ha
R:日降雨量
f:暗渠排水率
D:排除日数
以上の係数は、都市公園技術標準解説書「運動施設編」などを参照して下さい。

(9)暗渠管の深さ、間隔

暗渠の深さと間隔は、舗装土質により様々に変化するので、一律に規定することはできない。
しかし、過去の実績から勘案すると舗装面の均等な浸透を図るためには下表を標準と考える。

 舗装の区分  深さ(m)  間隔(m) 
 舗装に中・下層がある場合  舗装下に接して  10~20
 表層(芝生等)のみで中・下層がない場合   0.6~1.2   芝生 15~20
 土 8~15